第三章『パンヤ島からの手紙』 [企画]
親愛なる妻、そして息子へ
ふたりの顔を見なくなって、
いったいどれだけの時が過ぎたのでしょうか?
私はつい最近まで、
とある国の牢屋に閉じ込められていました。
無実の罪を晴らして迎えに着てくれるはずの
旅の仲間達は一向に迎えに来てくれません。
看守さんも最初は気を遣い、
声を掛けてくれていましたが、
いつしか、“痛いもの”を見る視線を
おくってくるようになりました。
「私はこのまま、ここで生涯を終えるのだろうか・・・」
そう考えるようになっていました。
しかし、ある朝、目を覚ますと
私は果てしない大空と広い大地の中におりました。