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第一章 『ウィズウィズの戦士たち』 [企画]

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    こっちへおいでよ…

「おいでおいでってわたしたちをさそってるよ。
でも声しか聞こえないね……」
細い触手が戦士のマントをギュっと握り締める。
「………」
戦士は相変わらずの無口だ。閉ざされた口は何もモノを言わない。
この人は何も喋らないのに立派な戦士様に
なれるなんてなんてステキなんだ!…と触手の主は思った。
この触手の主はいわゆるホ/イ/ミ/ス/ラ/イ/ムである。
しかし、低級モンスターには珍しく、
人間の言葉を理解し扱うことができるのだ。
「いつか人間になるのが私の夢なんです。」
その夢の為に人間の言葉を覚えたというのだから脱帽ものである。
「おいでおいで」という呼びかけ通りに
古谷の底を歩いていくふたり。
やがて、意味深長な宝箱のある部屋に辿りついた。
パカッ
不思議なことに宝箱はひとりでにその口を開いた。
その中から、羽の生えたひと組の靴が姿を現す。

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「さぁ、僕を履いて、空を飛ぶんだ」
頭の中に直接響いてくるような呼びかけ。
「空を飛んでいった先には楽しい玩具がたくさんあるんだ」
フン…
戦士は軽く溜息をついて、その靴を握った。
「ぁ…、ここでは履かない方が――」
彼女の制止は間に合わず、靴を履いて飛び上がった戦士は
天井に頭をぶつけ、しばし気を失うこととなる。
 
 

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